データクリーンルームとは、ファーストパーティデータを匿名化し、信頼できるパートナーやパブリッシャーからの集約されたセカンドパーティデータやサードパーティデータと照合して分析を行うことができる、安全で暗号化された場所である。 集計されたデータのみが分析され、データを元のデータセットに戻すことはできない。 これにより、ファーストパーティデータの機密性が確保される。
データ・クリーン・ルームの役割
データ・クリーンルームは目新しいものではないが、サードパーティのクッキーの減少により、新たな命を吹き込まれた。
サードパーティのクッキーが終わりを告げ、プライバシー規制が進化し続ける中、企業は顧客についてより深く理解し、マーケティングや広告戦略がどのように機能しているかを開発することが課題となっている。 データ・クリーンルームは、こうした課題を解決するために必要なデータを収集する安全な方法である。
データクリーンルームを利用すれば、以下のことが可能です:
- 広告パフォーマンスと広告費の無駄遣いを特定する
- チャネル間で重複している取り組みを確認する
- 顧客とブランドとの関わり方を理解する
- 類似オーディエンスの特定、またはターゲティングのための新しいセグメントの定義
- 顧客に接触し、関与する新しい機会を見つける
- 顧客生涯価値の決定
- パートナーと協力して共同マーケティング・プログラムを構築する方法を見つける
データクリーンルームの種類
データ・クリーンルームにはいくつかの種類がある。 それぞれの違いを理解することが不可欠だ。
壁に囲まれた庭園
最も有名なデータ・クリーンルームは、Google Ads Data Hubや Amazon Marketing Cloudのような広告サービスを提供する大手テック企業のものだ。
ネットワークとデータを完全に管理するクローズドなエコシステムであるこれらのウォール・ガーデンでは、広告主は集計された顧客データに限定的にアクセスできるため、広告のパフォーマンスを分析することができる。 企業がアクセスできるのは自社のデータだけで、競合他社のデータにはアクセスできない。
広告のパフォーマンスを完全に把握するために、他の場所からデータを持ち込むことはできない(それゆえ、「壁に囲まれた庭」という言葉がある)。 出版社によっては、分析できるデータセットの大きさに制限がある場合もある。
アドテック・ベンダー・データ・クリーンルーム
一部のアドテク・ベンダーは、グーグルやアマゾンと同様のデータ・クリーンルームを提供している。 これらはまた、壁に囲まれた庭であり、企業はベンダーからしかデータにアクセスできず、ベンダーはどのような集計データが提供され、どのように照会できるかを完全に管理している。 このような部屋の課題のひとつは、アトリビューション・モデルの妥当性を判断するのが難しいことである。
代理店データ・クリーンルーム
いくつかの代理店は、企業がファーストパーティデータを広告ネットワークやデマンドサイドプラットフォームを含む複数のサードパーティデータソースと接続することを可能にするデータクリーンルームを提供している。 このようなデータ・クリーンルームには、前述のウォール・ガーデンからのデータは含まれない。
プライベート・データ・クリーンルーム
企業は独自のデータ・クリーン・ルームを作ることができ、スペースの場所、セキュリティの方法、データのインポートと照合の方法を完全にコントロールすることができる。 パートナー・データ・クリーン・ルームとも呼ばれ、同社は複数のパートナーと協力してデータを持ち込み、匿名化して照合し、すべての関係者がデータセットを照会できるようにする。 各パートナーは、データ・クリーン・ルームで自分たちのデータがどのように使用されるかをコントロールできる。
ほとんどの場合、どのようなタイプのデータクリーンルームが採用されているかにかかわらず、データがデータクリーンルームから出ることはない。 しかし、セグメントやターゲットリストを、マーケティングや広告の目的で、アドネットワークや顧客データプラットフォーム、デマンドサイドプラットフォームで使用するためにエクスポートできる例もある。
広告パフォーマンスと全体的なカスタマー・エクスペリエンスを改善する新しい方法を模索する企業が増えるにつれ、すべてのマーケティング・プログラムのパフォーマンスを確実に測定するために、複数のタイプのデータ・クリーン・ルームを使用するようになるだろう。