Salesforce Data Cloud(2025年10月にData 360へ改称)は、Sales Cloud、Service Cloud、Marketing Cloud、Commerce Cloudにまたがる顧客データを単一のプロファイルへ統合する、SalesforceのCDP(カスタマーデータプラットフォーム)である。 同時に、Salesforceの自律型AIエージェント基盤Agentforceを支えるデータ層でもある。2020年にCustomer 360 Audiencesとして提供が始まって以来、この製品は6年間で6つの名前を持ってきた。
Salesforceは、2026年版 IDC MarketScape 世界のAI対応CDP(B2C領域)と2026年版 IDC MarketScape 世界のAI対応CDP(B2B領域)の両方でリーダーに位置付けられた。この2つの評価でともにリーダーとなったのは、AdobeとTreasure AIを含む3社にとどまる。
Salesforceをすでに全社で使っている組織にとって、Data Cloudは最短距離の選択肢に見える。ただしCDPとして必要な機能を一通り揃えるには複数のクラウド製品のライセンスが必要になり、初年度の総額は製品単体の定価から大きく離れる。他ベンダーとの横並びの比較はCDPベンダー比較ガイドにまとめている。
Salesforce製CDPの名称の変遷
SalesforceのCDPは、2020年の提供開始以来6回改名されている。改名のたびに、Salesforceのエコシステム内での位置付けも動いてきた。
| 名称 | 期間 | 位置付け |
|---|---|---|
| Customer 360 Audiences | 2020年10月〜2021年夏 | Digital 360の一部として、マーケター向けCDPとして提供開始 |
| Salesforce CDP | 2021年夏〜2022年夏 | Summer ‘21リリースで、CDPという市場カテゴリーに合わせて改称 |
| Marketing Cloud Customer Data Platform | 2022年夏〜2022年9月 | Pardot→Account Engagement、Interaction Studio→Personalizationと同時に、Marketing Cloudの傘下へ |
| Salesforce Genie | 2022年9月〜2023年夏 | Dreamforce 2022で「世界初のリアルタイムCRMを支える超大規模リアルタイムデータ基盤」として発表 |
| Data Cloud | 2023年夏〜2025年10月 | Salesforceプラットフォーム全体を支えるデータ基盤として再定義 |
| Data 360 | 2025年10月〜現在 | 現行の名称。マーケティングを超えた適用範囲の広がりを反映 |
改名の履歴は、買い手にとって実務上の意味を持つ。マーケティング専用ツールからプラットフォーム全体のデータ層へと、名称が変わるたびに製品の位置付けも変わってきたためである。ドキュメント、研修教材、パートナーの実績はいずれかの世代の名称で書かれているため、Salesforceの担当者やパートナーがどの世代の製品を指して話しているかは、評価の最初に確認しておきたい。
Salesforce Data Cloudの機能
Data Cloudは、現代のCDPに求められる機能を一通り備えている。
- データ取り込み:Salesforceの各クラウド(Sales、Service、Marketing、Commerce)と、MuleSoftのコネクタや標準連携を経由した外部ソースに接続する
- プロファイル統合:確定的マッチングと確率的マッチングによる名寄せでデータソースをまたいで同一人物を特定し、統合プロファイルを構築する
- セグメント:画面操作によるセグメント作成と、SQLによるクエリの両方に対応する
- AIと分析:Einstein AIが、スコアリング(リードスコア、解約予測、顧客生涯価値)、ネクストベストアクションの提案、生成AIによるコンテンツ作成を担う
- アクティベーション:セグメントとトリガーを、Marketing Cloud(メール、SMS、プッシュ通知、広告)、Commerce Cloud、Service Cloud、外部の配信先へ連携する
- ゼロコピーのデータ共有:外部のデータウェアハウス(Snowflake、BigQuery、Redshift)とのあいだで、データを複製せずに双方向のアクセスを行う
ゼロコピーが効く範囲には限りがある。読み取りクエリと分析には適用されるが、セグメントをMarketing Cloudや外部の配信先でアクティベーションする場面では、プロファイルデータをその先のシステムへ複製する処理が依然として発生する。
連携が最も深いのはSalesforceのエコシステム内である。Salesforce CRMを顧客情報の正となるシステムとして使っている組織であれば、Sales Cloud、Service Cloud、Data Cloudのあいだで最も滑らかにデータが流れる。
スイート型CDPというアーキテクチャ
Data Cloudは、Salesforceプラットフォームの内側に置かれ、Salesforceのエコシステム全体を対象として設計されたスイート型CDPである。この設計が、利点と制約の両方を同時に生んでいる。
図はSalesforceのData 360 Technical Capability Mapおよびリファレンスアーキテクチャをもとに、編集部で注釈を加えたものである。
図が示しているのは、Connect、Harmonize、Analyze、Activateという4段階のパイプラインと、それを一通り動かすために別途必要となるSalesforceのライセンスである。データ元となるSales Cloud、Service Cloud、Commerce Cloudはそれぞれ個別のライセンスを必要とする。アクティベーション側でも、Marketing Cloud(メールやSMS、ジャーニー)、Agentforce(自律型AIエージェント)、Tableau(分析)が別ライセンスである。典型的なエンタープライズ構成では、Data 360(年間6万ドル以上)、Marketing Cloud(年間12万〜18万ドル)、Service Cloud(年間6万〜10万ドル)、MuleSoft(年間2万〜5万ドル以上)、Agentforce(従量課金)、システムインテグレーターの費用(10万〜30万ドル)が積み上がり、初年度の総額は36万〜75万ドル以上になる。
スイート統合の利点
すでにSalesforceに軸足を置いている組織にとって、Data Cloudの利点は実質的である。
- CRMとの一体性:Data Cloud上の顧客プロファイルには、Sales Cloudの商談、Service Cloudのケース、Commerce Cloudの取引の変更が、外部コネクタを介さずリアルタイムで反映される
- 共通のセキュリティモデル:データガバナンス、共有ルール、項目レベルのセキュリティが、Salesforceプラットフォームからそのまま適用される
- Agentforceの土台:Data Cloudは、2024年10月に一般提供が始まったSalesforceの自律型AIエージェント基盤Agentforceが判断の根拠として読み取るデータ層である。AIエージェントは統合プロファイルを参照して判断し、Salesforceの各クラウドで行動する。ただしAgentforceのエンタープライズでの導入は、2026年第2四半期時点でまだ初期段階にある
構造的なトレードオフ
同じ設計から、評価の段階で見ておくべき制約も生じる。
- エコシステムへの依存:Data Cloudが最大の価値を出すのは、周辺がSalesforceで揃っている環境である。CRMやマーケティングオートメーション、コマースに他社製品を使っている組織では連携の作り込みが増え、ネイティブ統合という利点はその分だけ薄まる
- スイートタックス:CDPとしての機能を一通り使うには、複数のSalesforceクラウドのライセンスが要る。Data Cloud単体が担うのは統合までであり、アクティベーションにはMarketing Cloud、サポート領域の活用事例にはService Cloud、外部データの連携にはMuleSoftが必要になる場合がある。クラウドを追加するたびに、ライセンス費用、導入範囲、運用負荷が増えていく
- 買収した製品どうしの統合:Salesforceプラットフォームは大型買収の積み重ねで形づくられてきた。ExactTarget(2013年、現Marketing Cloud)、MuleSoft(2018年)、Tableau(2019年)、Slack(2021年)がその代表である。同じブランドを冠していても、これらは異なるアーキテクチャとデータモデルの上で動いている。買収製品どうしの内部連携が、別ベンダーの製品をつなぐときと同種の摩擦を生むことがあるのはこのためである。これはエンタープライズスイート全般に共通する性質であり、はじめから単一のアーキテクチャとして作られたプラットフォームとはこの点で異なる
料金と総保有コスト
Data Cloudの料金体系は、公式の価格ページによれば2種類ある。
クレジット課金(Flex Credits) は、購入したクレジットを、データの取り込み、統合、セグメント、AI、アクティベーションの各処理に割り当てて消費していく従量制である。追加クレジットは10万クレジットあたり500ドルで購入でき、Data 360とAgentforceのあいだで融通できる。
プロファイル課金は、プロファイル単価による定額制で、費用の見通しを立てやすい。1プロファイルにつき年間1 Flex Creditが含まれ、不足分は追加購入する。
Data 360 Starterの定価は年間6万ドルで、1,000万Data Servicesクレジットと5TBのストレージが含まれる。
初年度の総額
Data Cloud単体の定価は、CDPとしての活用事例を成立させるために必要な投資額を表していない。顧客プロファイル500万件を扱い、CDPの機能に加えてメール配信まで行いたい中堅企業を想定すると、内訳は次のようになる。
| 構成要素 | 年間コストの目安 |
|---|---|
| Data 360(Starter以上) | 6万〜12万ドル |
| Marketing Cloud(メール配信) | 12万〜18万ドル |
| Service Cloud(サポート領域で使う場合) | 6万〜10万ドル |
| MuleSoft(独自のデータソースがある場合) | 2万〜5万ドル以上 |
| 初年度の導入支援費用 | 10万〜30万ドル |
| 初年度の総額 | 36万〜75万ドル以上 |
総保有コスト(TCO)を見積もるうえでは、ライセンス以外に次の2点も見込んでおく必要がある。
- 導入支援の費用:標準的な導入で2〜6か月、複数のクラウドをまたぐ大規模な展開では12か月に及ぶこともある。多くの場合はSalesforceの認定パートナーかシステムインテグレーターの支援が前提となり、その専門サービス費用は3年間で見るとソフトウェア費用に匹敵するか、それを上回ることがある
- 人材の維持:Salesforceのクラウド製品はそれぞれ独自の認定資格、設計手法、アップグレードサイクルを持つ。組織は製品レイヤーごとに専門人材を抱え続けることになる
アーキテクチャごとの価格の違いをさらに詳しく見る場合は、CDP Pricing: Models, Ranges, and Hidden Costsを参照してほしい。
Data Cloudの強み
公平に評価するなら、Data Cloudには次の強みがある。
- エコシステムの規模:エンタープライズソフトウェアとして市場最大のエコシステムを持ち、AppExchangeのアプリ、認定コンサルタント、導入パートナーの層が厚い。導入支援を外部に頼る前提であれば、確保できる人材の選択肢は最も多い
- AIへの投資:Einsteinの予測モデルからAgentforceの自律エージェントまで、Salesforceは一貫してAIに投資してきた。統合された顧客データを土台にAIエージェントを動かすという構想はアーキテクチャとして筋が通っており、その実装速度は大半のエンタープライズスイートベンダーより速い
- ゼロコピーのデータ共有:外部ウェアハウス(Snowflake、BigQuery)のデータを複製せずにクエリできる点は、ウェアハウスを正となるシステムとして維持したいデータエンジニアリングチームの懸念に応えている
- エンタープライズでの実績:Ford、Gucci、L’Oreal、Bank of Americaといった企業がData Cloud上で稼働しており、大規模導入の実例がある
- Salesforceデータの取り込みが無償:2025年以降、他のSalesforceクラウドから構造化データをData Cloudへ取り込む処理は無償になった。既存顧客の導入を妨げていたコストの壁が一つ外れたことになる。ただし無償なのは取り込みまでで、統合、セグメント、アクティベーションはFlex Creditsを消費する
Data Cloudの制約
以下は、スイート型のアーキテクチャに由来する構造的なトレードオフであり、個々の導入プロジェクトの失敗ではない。引用はG2に投稿されたレビューの日本語訳である。
- 導入期間と習熟の負荷:標準的な導入で8〜16週間、複数のクラウドと複雑なデータモデルを伴う大規模展開では3〜12か月を要するのが通例である。数週間で立ち上がるハイブリッドCDPと比べると、この差は大きい。AIの時代では、導入にかかる1か月は、競合がAIによる顧客接点から学習を積み上げる1か月でもある。あるG2レビューはこう書いている。「ほとんど新しい製品を一から学ぶような感覚だ。(中略)この急な学習曲線のせいで、特に経験を積んだSalesforce管理者にとって、全体の使い勝手が直感的でなくなっている」
- 料金の複雑さとスイートタックス:データ統合、セグメント、アクティベーションというCDPの機能だけが必要な組織は、使わない製品までライセンスすることになりかねない。G2で繰り返し挙がる不満がこれである。「Sales、Service、Marketing Cloudをすでに持っていても、別途ライセンスを購入する必要がある」。料金モデル自体が理解しにくいという指摘や、価格情報を得るまでが大変だという指摘もある
- エコシステムへのロックイン:最も深く連携するのはSalesforce製品どうしである。顧客データ、セグメント、AIモデルをData Cloudの内側に積み上げるほど、他のプラットフォームへの移行は難しくなる。将来CRMやメール配信基盤、コマース基盤を入れ替える可能性があるなら、スイート型CDPに顧客データを集約することで生じる出口コストが、連携の利点を上回らないかを見ておきたい。別のG2レビューはこう述べている。「Salesforceから独立して使えて、自前のオープンなデータを取り込めるなら、さらに良かった」
- データウェアハウスとの重複:すでにクラウドデータウェアハウス(Snowflake、BigQuery、Databricks)を運用している組織にとって、Data Cloudは持っている基盤の二重化に見えることがある。ウェアハウス中心のアーキテクチャに慣れたデータエンジニアからは、その価値を問う声が出る。「すでにデータウェアハウスがあるのに、なぜデータを集めるためにもう一つシステムが必要なのか」
- 外部データの連携:Salesforce製品どうしの標準コネクタは充実しており、ゼロコピーの連携によって外部データへのアクセスも2024年以降かなり改善した。それでもSalesforce以外のソースをつなぐには、標準連携より多くの設定作業が要る。G2のレビューにも「外部データを取り込むのが難しい。特にソースが複数ある場合はそうだ」とある。複雑な独自連携ではMuleSoftが必要になることもあり、その分ライセンス費用と開発工数が増える
- 製品名の不安定さ:6年で6回の改名は、市場に実際の混乱を生んでいる。ドキュメント、Trailheadのモジュール、パートナー認定、コミュニティの情報は、作成時期によって異なる製品名を指している。あるレビューの言葉を借りれば、「名称変更が紛らわしい。今日は何という名前なのか」ということになる
- AI関連ブランドの改称:AI側の名称も短期間で変わってきた。EinsteinからEinstein Copilot(2024年2月)、さらにAgentforce(2024年10月)という流れである。改称のたびに新世代の製品が登場したと考えるのではなく、現在のブランドの下で実際に何ができるのかを個別に確かめたい
- 規制業種におけるプライバシー:規制の厳しい業種のG2レビューでは、データの保存場所とコンプライアンス対応が重い懸念として挙がっており、プライバシーリスクを理由に5点満点中1.5点を付けたレビューもある
- 大規模データでの性能:大量のデータを扱うレビュアーからは、画面表示の遅さや大規模なデータ品質管理の難しさなど、性能とデータ品質の課題が報告されている
Salesforce Data Cloudが向く組織と向かない組織
次の条件の多くに当てはまる組織では、Data Cloudは有力な選択肢になる。
- Salesforceを全社の基幹として使っている:Sales Cloud、Service Cloud、Marketing Cloudが主要システムになっている。逆に、Salesforce以外のシステムがスタックに増えるほど価値は下がる
- 導入支援の体制がある:複数クラウドの導入を任せられるSalesforceのコンサルティングパートナーとの関係がすでにある
- ベンダーを一本化したい:ベンダー管理の負荷を下げるために、スイート型のトレードオフを受け入れる方針である
- 導入期間に余裕がある:2〜12か月の導入期間が、競争上の不利にならない
一方、次のような組織では、Data Cloudの利点は出にくい。
- 主たる顧客システムとしてSalesforce以外のCRMを使っている
- 標準コネクタが手薄なSalesforce外のソース(EC、POS、モバイルアプリ、外部データベース)から大量のデータを統合する必要がある
- 数か月ではなく数週間でCDPを立ち上げ、AI主導の施策を回し始める必要がある
- 複数クラウドのライセンス管理とスイートタックスを避けたい
- 単一ベンダーのプラットフォームに顧客データを集約することによるロックインを避け、乗り換えの自由度を残したい
- CDP、メッセージング、AI意思決定が、買収製品の寄せ集めではなく単一のアーキテクチャとして提供されるプラットフォームを求めている
Salesforce Data Cloudの代替となるCDP
Data Cloudの代替を検討する組織が実際に比較対象とするのは、おおむね2つの類型である。データ統合、メッセージング、AIを単一のプラットフォームに束ね、成果が次の判断へ戻るループを閉じるエージェンティックCDPと、クラウドデータウェアハウスを土台に複数のツールを組み合わせるコンポーザブルCDPである。
ベンダー全体の比較はCDPベンダー比較ガイドに、AI時代に固有の評価基準はHow to Evaluate a CDP in the AI Eraにまとめている。
→ CDPベンダーを横並びで比較する(CDP Vendor Comparison Guide)
独立系アナリストによるCDPベンダーの評価は、Forrester WaveおよびIDC MarketScapeのレポートで確認できる。
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FAQ
Salesforce Data CloudとSalesforce CDPは同じ製品か
同じ製品である。 Data Cloudは、かつてSalesforce CDPと呼ばれていた製品の名称であり、現在の正式名称はData 360である。2020年のCustomer 360 Audiencesを起点に、Salesforce CDP(2021年)、Marketing Cloud Customer Data Platform(2022年)、Salesforce Genie(2022年)、Data Cloud(2023年)、Data 360(2025年)と6回改名されてきた。顧客データの統合、セグメント、アクティベーションという中核機能は改名を通じて一貫しており、世代ごとに機能が追加されてきた形である。
Salesforce Data Cloudの料金はいくらか
Data 360 Starterの定価は年間6万ドルで、クレジット課金とプロファイル課金の2つのモデルがある。 クレジット課金では追加分を10万クレジットあたり500ドルで購入する。ただし総保有コストはこれより高くなるのが通例である。CDPとしての活用事例を成立させるには、メール配信にMarketing Cloud、サポート領域にService Cloud、外部データ連携にMuleSoftといった別ライセンスが必要になるためである。エンタープライズの導入では、3年間で見るとソフトウェア費用に匹敵する導入支援費用も加わる。
Salesforce Data Cloudと独立系CDPは何が違うのか
Data Cloudはスイート型CDPであり、他のSalesforceクラウドと組み合わせたときに最も価値を発揮する。 一方、独立系CDPやハイブリッドCDPは、データ統合、メッセージング、AIを追加ライセンスなしに単一システムで提供する。違いが出るのは導入期間(数週間か数か月か)、料金体系(単一ライセンスか複数クラウドか)、そして成り立ち(単一アーキテクチャとして設計されたか、買収製品の組み合わせか)である。営業、サポート、マーケティングをSalesforceで統一していて外部ソースが少ない組織にはData Cloudが自然な選択になる。Salesforce外のシステムを横断してデータを統合したい組織や、乗り換えの自由度を重視する組織は、現在のSalesforce投資額にかかわらず独立系の選択肢も並べて評価したい。
Salesforce Data Cloudの代替にはどのような選択肢があるか
主な代替は、スイート型ではないCDP、すなわち複数のクラウドライセンスを前提とせずにデータ統合、メッセージング、AIを束ねるプラットフォームである。契約は一本で、AIを前提に設計されたアーキテクチャを持ち、立ち上げは数か月ではなく数週間で済む。 コンポーザブルCDPもその一つで、データウェアハウスを土台にリバースETLで下流の配信ツールへデータを同期する構成を取る。ウェアハウスへの投資が済んでいて、データエンジニアリングチームが主導する組織に向く。ベンダーごとの比較はCDPベンダー比較ガイドを参照してほしい。