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オーディエンスセグメンテーションとは?種類とCDPでの作り方

オーディエンスセグメンテーションとは、幅広いオーディエンスを共通の属性や行動、ニーズで分ける手法。顧客セグメンテーションとの違い、デモグラフィックから行動まで5つの分類軸、CDPとAIによるセグメント構築とリアルタイム更新の仕組みを解説する。

CDP.com Staff CDP.com Staff 読了目安 1 分

オーディエンスセグメンテーションとは、幅広いオーディエンスを、共通する属性や行動、ニーズに基づいて意味のあるまとまりへ分ける手法である。 まとまりごとにメッセージやオファーを変えることで、一律の訴求では反応しなかった相手にも、その関心に沿った提案を届けられる。

対象とする範囲は顧客セグメンテーションより広い。購買履歴のある既知の顧客だけでなく、まだ購入に至っていない見込み客、匿名のサイト訪問者、SNSのフォロワーなど、取引関係がほとんど、あるいはまったくない相手も含む。認知の獲得や新規顧客の開拓といったファネル上部の施策でオーディエンスセグメンテーションが使われるのは、この広さゆえである。CDP(カスタマーデータプラットフォーム)は、匿名と既知が混在するこれらのデータを一つにまとめ、セグメントとして扱える状態にする。

顧客セグメンテーションとの違い

2つの語は同じ意味で使われることもあるが、扱うデータが異なる。顧客セグメンテーションは、購買履歴、生涯価値、製品の好み、関係の深さといった取引の記録をもとに、既知の顧客を分析する。オーディエンスセグメンテーションは顧客と非顧客の両方を含む母集団を扱い、取引の記録がない相手については、推定された属性やエンゲージメントのシグナル、接点が生まれた状況から判断する。

動画配信サービスを例に取る。オリジナル作品を一気に視聴する価値の高い会員を見つけ出すのは顧客セグメンテーションの仕事だ。一方、エンターテインメント関連の話題には反応するがまだ登録していないSNS利用者を対象に取るのが、オーディエンスセグメンテーションである。

オーディエンスセグメンテーションの主な種類

分類軸は大きく5つある。実務では1つだけを使うことは少なく、複数を掛け合わせて対象を絞り込む。

デモグラフィックによるセグメント

年齢、性別、収入、学歴、職業、家族構成といった、数量として把握できる人口動態の属性で分ける。導入は容易だが、これだけではパーソナライズに必要な解像度に届かないことが多い。

サイコグラフィックによるセグメント

価値観、関心、ライフスタイル、性格傾向で分ける。外部データによるデータの拡充(データエンリッチメント)と組み合わせることが多く、相手が誰かだけでなく、その意思決定を何が動かしているかまで捉えられる。

行動によるセグメント

閲覧の傾向、コンテンツの消費、メールへの反応、購買意向のシグナルなど、行動データで分ける。本人が申告した好みではなく実際に取った行動を反映するため、施策の精度が上がりやすい。

状況によるセグメント

デバイスの種類、位置、時間帯、天候、その時々の出来事など、接点が生まれた状況で分ける。店舗の近くにいるモバイル利用者と、自宅のPCで製品を比べている利用者とでは、届けるべき内容が変わる。

利用技術によるセグメント

OS、ブラウザ、業務システム、接続機器など、相手が使っている技術で分ける。B2Bでは競合製品からの乗り換え提案に、B2Cでは機器に応じた体験の出し分けに使う。

CDPによるセグメント構築の仕組み

CDPは、Webサイト、モバイルアプリ、メール配信基盤、広告プラットフォーム、CRMなど複数のソースからデータを集め、名寄せによって一人の顧客像へと束ねる。Customer 360と呼ばれる統合プロファイルが、セグメントを組むための土台になる。

土台がそろうと、種類の異なるデータをまたいだ条件で1つのセグメントを定義できる。たとえばB2Bのソフトウェア企業であれば、「直近1週間で料金ページを3回閲覧し、金融業界に属し、資料をまだダウンロードしていない見込み客」というセグメントを作り、そのまま広告プラットフォームへ同期できる。

さらにCDPは、セグメントの所属をリアルタイムで更新する。新しい行動を取った人はその場で別のセグメントへ移り、いま何を求めているかに合ったメッセージが届く。セグメンテーションは、四半期ごとに分析チームが作る資料ではなく、日々動き続ける運用機能へと変わった。

AIがセグメントの作り方をどう変えるか

従来のセグメンテーションでは、マーケターが「何が効くか」という仮説を立て、条件を手作業で定義していた。AIによる顧客セグメンテーションは出発点が異なる。機械学習が数百から数千の属性を同時に見て、人が仮説として持たなかったまとまりを見つけ出す。

見つかるのは、粒度の細かいマイクロセグメントである。「フィットネスに関心のあるミレニアル世代」といった粗い括りではなく、「週末に健康関連のコンテンツへ反応し、動画形式を好み、上位プランへの関心を示している都市部の28〜34歳」といった集団を切り出せる。条件が具体的なぶん、同じ予算でもコンバージョン率が高くなりやすい。

予測に基づくセグメントも組める。類似オーディエンスモデルは既存の優良顧客に似た見込み客を抽出し、プロペンシティモデリングはコンバージョンや解約の起こりやすさを推定する。まだ起きていない行動を手がかりに対象を選べるため、予算と工数をどこへ寄せるかを事前に決められる。

モデルは新しいデータで継続的に再学習する。消費者の行動や市場環境が変わっても、セグメントの条件を人が組み直す頻度は下がり、条件が古びたまま配信が続く事態を避けやすくなる。

ファーストパーティデータ時代のセグメンテーション

外部から購入したオーディエンスデータに頼るターゲティングは、ブラウザによるサードパーティCookieの制限とプライバシー規制によって使える範囲が狭まってきた。そのぶん、自社の接点で集めたファーストパーティデータを土台にしたセグメントの比重が高まっている。

セグメンテーションの効果は、施策の成果にとどまらない。どのセグメントに見込みがあるかがわかれば予算と工数の配分を決められるし、一斉配信ではなく相手に合った連絡が届くことで顧客体験も良くなる。オーディエンスの構成や関心の分布は、顧客インテリジェンスとして商品開発や事業計画の判断材料にもなる。

セグメントが機能しなくなる理由

セグメントの成果が伸びない原因の多くは運用上の問題であり、分類軸の選び方が間違っていたことではない。セグメントは、日々動き続ける人々の行動に対して評価されるルールであり、保守が止まりがちなのはたいていルールの側である。失敗パターンは限られていて、その数種類がトラブルの大半を占める。

メンバーの陳腐化。 「直近30日以内に購入した人」というセグメントは、再計算しない日が1日重なるごとに、中身が少しずつ空になっていく。リスト自体は残っているため配信は続くが、中に残るのはエンゲージメントが最も薄い層である。対応は、定義行動がどの速さで古くなるかに合わせて再計算をスケジュールし、所属数の推移を監視することだ。減る一方のセグメントは、設定した期間がすでに役目を終えているサインである。

定義のドリフト。 ラベルは生き残るのに、その背後の意味が変わっていく。「高価値」が平均注文額として始まったのに、後に財務部門が限界利益で高価値を再定義しても、保存されたセグメントは元のルールのままである。2つのチームが同じ名前を、異なる意図で扱うことになる。ルールをバージョン管理し、ロジックを全チームが見られる場所に文書化し、各セグメントに担当者を一人割り当てる。

過剰なセグメンテーション。 マイクロセグメントが増殖し、一つひとつが施策として成立しない規模になるまで育つ。広告配信先はオーディエンスの最小マッチ数を設けており、それを下回ると配信自体が行われない。セグメントが1つ増えるごとに保守の対象も増える。見直すルールが増え、調整すべき競合も増える。対応は、広めのセグメントを基準にしつつ絞り込みを入れ子で持たせること、そして新しいセグメントを作るときは、それが何のためのものかを明示してからにすることである。

届かないメンバー。 プラットフォームが示す所属数は一つの数字だが、実際に届けられるリーチはそれより小さい。同意が得られていない、住所が無効で届かない、配信先がマッチできない識別子がある、といった理由である。到達可能性は、キャンペーンを送るときではなく、セグメントを作った時点で確認する。誰にも接触できないセグメントは資産ではなく、単なるレポートである。

セグメントごとの更新方式の選び方

セグメントの鮮度をどの程度保つべきかは、ソフトウェアではなく用途が決める。カート離脱は数分で意味を失い、四半期ごとのウィンバック対象であれば週次の再計算で何も損しない。すべてをリアルタイムにするか、すべてを夜間バッチにするかのどちらかに寄せるのではなく、セグメントごとにこの期待値を設定することが、セグメント資産全体を運用可能なコストに保つ。ほとんどの場面は、次の3つの更新方式で足りる。

更新方式所属の更新方法向いている用途注意点
バッチ(定時実行)夜間や週次など、決まった周期で再計算するライフサイクル段階、解約リスクのティア、数時間の古さが影響しないウィンバック対象実行の合間に気づかないうちに減っていく。行動ベースのセグメントは、次の再計算までに中身が空になりうる
リアルタイム(イベント駆動)イベントが届くたびに所属を評価するカート離脱、セッション単位の購買意向、購買意欲の高いページを閲覧する訪問者コストと保守の負担。速度を必要としない用途には過剰である
ハイブリッドバッチの本体に、リアルタイムの上書き層を重ねる安定した広めのオーディエンスに、キャンペーン期間だけ動きの速い部分を加える同じオーディエンスの2つの定義がずれていく。上書き層は本体の脱退条件を引き継ぐ必要がある

判断は主に2つの問いで整理できる。1つ目は鮮度の許容範囲である。メンバーは、メッセージの意味が失われるまで、セグメントの中にどれだけ長く留まれるのか。2つ目は配信先の対応状況である。ストリーミングのオーディエンスを受け付けない配信先もあり、リアルタイムのセグメントをバッチ専用のチャネルへ同期すれば、結局はバッチとして扱われる。逆方向のトレードオフもある。すべてをリアルタイムにするのは厳密に見えるが、その速度を使わないライフサイクル系のセグメントがほとんどである。基本はバッチとし、分単位の鮮度が本当に求められるセグメントにだけ、イベント駆動の評価を取っておく。

セグメントのライフサイクル:健全さを保ち続けるには

セグメントは運用資産であり、運用資産は古びる。定義、検証、アクティベーション、監視、廃止というライフサイクルを明示的に回すことが、オーディエンス資産が前節のような失敗パターンに陥るのを防ぐ。

  • 定義。 作成時点で、ルール、目的、担当者、想定する配信先を記録する。目的を一文で言い表せないセグメントは、作るべきでない。
  • 検証。 アクティベーションの前に、施策が使える規模と照らしてサイズを確認し、サンプルで到達可能性を確かめ、競合する施策を打つ稼働中セグメントとの重なりを調べる。
  • アクティベーション。 オーディエンスをペイドメディアへ渡した段階では、配信先がアドエクスチェンジ(広告取引所)の在庫に対してメンバーをマッチングし、独自のオーディエンス最小サイズを設けている。実際のリーチを決めるのは所属数ではなく、このマッチ率である。
  • 監視。 所属数の推移、非メンバーと比べたメンバーのエンゲージメント、配信先ごとのマッチ率を追う。ここはツールが変わりつつある部分である。エージェンティックCDPはこうした推移を監視して異常を知らせることができ、エージェンティックAIは定義行動が動いたときにルール修正の案を出せる。ただし、誰に何を届けるかを変える変更は、すべて人が承認する。
  • 廃止。 キャンペーンは終わり、製品は提供を終えるが、セグメントは自力ではほとんど消えない。見直しの周期を決め、定義と実績の履歴を保管し、残りは削除する。廃止の工程がなければセグメントの一覧は増える一方であり、過剰なセグメンテーションが蓄積によって戻ってくる。

命名規則と変更履歴がライフサイクルを支える。データソース、行動、期間を名前に織り込み、誰がいつルールを変えたかを記録しておけば、初めて見るセグメントでも、信頼し、監査し、止めるという判断ができる。

FAQ

オーディエンスセグメンテーションの主な種類は何か

デモグラフィック(年齢、性別、収入、学歴などの人口動態属性)、サイコグラフィック(価値観、関心、ライフスタイル)、行動(閲覧やメールへの反応などの実際の行動)、状況(デバイス、位置、時間帯)、利用技術(OS、ブラウザ、接続機器)の5つが主な分類軸である。 多くの企業はこれらを掛け合わせて対象を絞り込み、施策の精度を上げている。

オーディエンスセグメンテーションと顧客セグメンテーションの違いは何か

オーディエンスセグメンテーションは、見込み客や匿名の訪問者、SNSのフォロワーなど取引関係のない相手まで含むため、認知の獲得や新規開拓に向く。顧客セグメンテーションは購買履歴のある既知の顧客に絞り、生涯価値や製品の好み、関係の深さを分析する。 顧客セグメンテーションが取引データに依拠するのに対し、オーディエンスセグメンテーションは推定された属性やエンゲージメントのシグナルを多く使う。

AIはオーディエンスセグメンテーションをどう変えるのか

AIは数百から数千の属性を同時に分析し、人が仮説として持たなかったマイクロセグメントを見つけ出す。 行動の変化に応じて所属セグメントをリアルタイムで組み替えられるため、条件が古びたまま配信が続く事態を避けやすい。プロペンシティモデリングや類似オーディエンスモデルによって、まだ起きていない行動を手がかりに対象を選ぶことも可能になる。

オーディエンスセグメントはどの頻度で更新すべきか

万能の周期はなく、各セグメントは、その定義行動が古くなる速さに合わせて更新する。 カート離脱やセッション単位の購買意向のセグメントは数時間で意味を失うため、イベント駆動か毎日の再計算が要る。デモグラフィック、企業属性、ライフサイクルのセグメントは変化が遅く、週次や月次で足りる。各セグメントの所属数の推移とメンバーのエンゲージメントを追い、減り続けるセグメントや下がり続ける反応率は、更新の周期が追跡対象の行動に追いついていないサインである。

CDPなしでオーディエンスセグメンテーションはできるか

できる。メール配信基盤も広告プラットフォームも基本的なセグメンテーションには対応するが、どちらも自分から見える範囲のデータだけでセグメントを組む。 メールツールはメールへの反応だけ、広告プラットフォームは自プラットフォーム内の行動だけを見ており、互いのデータは見えない。チャネルをまたいだ所属管理、デバイスをまたぐ名寄せ、セグメント定義の一貫性が、チームをCDPへ向かわせるきっかけになることが多い。単一チャネルでデータ量も控えめな施策であれば、CDPは能力が加わる前にコストが先に加わる。

この記事は他の言語でも読めます: Audience Segmentation · O que é segmentação de público (audience segmentation)

CDP.com Staff
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